社内規程立案の手引き

 

零は、遵子さんから「零さんて、社内規程作ったことあるの」と聞かれた。遵子さんは、30歳前後の女性で、弁護士資格をもっている当社内でもデキると評判の女性だ。

零は、遵子さんとの最初の接点にもかかわらず、自分が準備してきたことをアピールできなかったため、少し歯がゆい気持ちとなった。

遵子さんは、零に対し、これがうちの会社で整理されている社内規程よといって、社内規程一覧表と題する書面を渡された。そこには、無数とも思える規程の名称が書いてあった。

 

基本規程(定款※、取締役会規程※、株式事務取扱規程※、監査役監査規程、会議規程、役員規程組織規程)、

組織規程(組織規程 (組織図)※、業務分掌規程 ※、職務権限規程 ※、稟議規程※、関係会社管理規程、内部監査規程※、危機管理体制に関する規定)

業務規程(与信管理規程、販売管理規程、購買管理規程、外注管理規程、在庫管理規程、固定資産管理規程、発注等取引管理規程 投資管理規程)、

経理規程経理規程※、予算管理規程※、金銭取扱規程、原価計算規程、資金管理・運用規程)、

人事労務管理規程就業規則※、パートタイム労働者就業規則、給与規程、退職金規程、役員退職金規程、出張・旅費規程※、人事規程、人事考課規程、育児・介護休業等規定、自転車及び自動車通勤マニュアル、衛生管理マニュアル、社内貸付金規程、社宅管理規程、慶弔見舞金規程、海外出張者災害補償マニュアル、知的財産管理規程、職務発明規程、活動助成マニュアル、ストレスチェック制度実施マニュアル)

総務庶務規程(文書管理規程、印章管理規程※、情報セキュリティ管理規程※、情報システム管理規程、従業員持株会規約、内部通報規程、個人情報保護規程※、コンプライアンス規程、インサイダー取引防止規程、鍵管理規程、規程管理規程)

 

遵子さんは「このリストのうち、※印があるものは結構大事だから、よく読んでおいて欲しいし、法務パーソンになりたいなら、準備ができることも必要ね」と、零に言い残した。零は、社内規程を作成できるようになりたいと、おなじみの丸善へと向かい、「社内規程立案の手引き」を購入して、その日、寝るまで読み続けた。

 

 

 

 

出社初日

特に何かやり切れたという思いもなく、零は、法務部員としての初日を迎えた。

会社からは、事前に午前9時に会社に来てくださいと言われていた。初日からの遅刻はさすがにまずいだろうと思って、午前8時頃には、会社着いていた。一度、会社があるビルの前に来ながらも、まだ時間があるので、零は、周囲を散歩することにした。「ここがこれから僕が時間を過ごしていく職場か」と余韻に浸る。零は、冬の最中、手がかじかんできただので、自動販売機でコーヒーを買い、コーヒーで手を多い、体を温めるなどして、適当な時間になるまで、時間を過ごした。

フラフラしていると、時計は8時40分を指していた。零は、多少早いかなと思いながらも、会社の受付に向かうことにした。そこには、iPad一台が置かれている。零は、この状況に戸惑っていた。iPadなど持っておらず、そもそも、受験生活の長かったので、スマホを使いこなすことさえできない。呼び出し用の電話があると思っていた零は、緊張した。零は、恐る恐る「これだろう」と思うタッチパネルのボタンを押していったところ、何とか画面は順番通り進んでいった。

画面に「少々お待ちください」と表示されると、人事の人らしい女性社員が出てきた。どうやらうまくいったらしい。その後、人事部の男性職員を紹介され、「お待ちしておりました」と言われながら、法務部の席に案内された。

少し早かったからか、法務の"シマ"にはまだ誰もいない。零は、椅子に座り、カバンを床におき、机にメモ用紙を準備して、姿勢を正し、それらしい形を整えながら、法務部員たちが来るのを待った。しかし、9時50分になっても誰も来ない。そもそも、法務の方だけでなく、他の”シマ”の人もチラホラいるばかり。零は、大丈夫なのだろうかと少しだけ不安になった。

9時55分頃だろうか。1人の男性がこちらに向かってくる。特に何という表情でもないが、零から目線をそらさない。零もどうしていいのか分からず、その男性を見つめた。男性は、そのまま、こちらに向かって歩いてきて、零の座る左前の席に自分のかばんを下ろた。「君が零さんだね?」零は、座り続けていた自分の態度にハタと気づき、立ちあがり「はいっ!」といった。男性は「よろしく」とだけ言って、パソコンをセットし始めた。

その後、続々と法務の方たちがやってきた。

どうやら、この会社の法務メンバーは4人らしい。

続く。

セイト先生のWeb・IT塾#法務部10日目

零は、出願書類の着目点について、特許マニアさんのブログで学びながらも、御多分に漏れず、IT用語というものに躓いていた。カタカナが多く、感覚的に記載されている意味が分からない。また、そもそも、システムが一般的にどう構成されているのか分からないという根源的な問題にもぶちあたっていた。

 

どうしようか迷ったが、零は、youtubeによい解説動画がないかを探すことにした。最近、零は、youtubeで解説動画を探すことをよくする。文書ではわかりにくい個所について口頭で説明を受けることで、理解が容易になることが多々あったからだ。零は、youtubeに「IT用語」と打って検索した。その中で、零は、自分の疑問が氷解する動画を見つけた。「 セイト先生のWeb・IT塾」という動画サイトであった。システム系統にしたがって用語の説明がされ、プログラミング言語まで連動させた説明が行われていた。零は、神様っているんだなと思いながら、救われた気持ちになっていた。


Web/IT用語27選!超カンタンに解説してみた【クラウドとは?サーバーとは?データベースとは?】

 

ついでに、零は、”インターネット”の発展が今日ほどまでには発展していない時期の本を読んでおくことが、今後の知識習得をストーリーとして認知することに役立つのではないかと考え、「コンピュータ、どうやってつくったんですか? はじめて学ぶ コンピュータの歴史としくみ」を購入した。零は、とりあえず関連本を買う癖がある。

 

 

IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256

IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256

  • 作者:増井 敏克
  • 発売日: 2019/05/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 零は、特許公報を読む際には、特許マニアさんの発想によりながらも、IT用語を蓄積するため、広報に出てくるIT用語をメモしておこうと考えた。

 

続く。

通信特許マニアさん #法務部9日目

徐々に法務としての初日が迫り、零は焦りはじめていた。

 

そうした中でも、零は、学習をしていく中で、知的財産法に関心を持ち始めている自分に気づき始めていた。零は、事業を理解するためにも、自分なりに、ビジネスモデルを検討していたのだが、検討にあたっては、何か新しい価値を創り出せないかと考えていた。そうした中で、いくつか、自分としては、面白いと思えるアイディアも生まれていた。零は、もしその「アイディア」が権利化できれば、事業を盤石にすることができるのではないかと考えはじめていたのだ。もちろん、権利は、常に行使する必要はない。ただ、権利をもっているということは、何か事業の継続のために支障が生じた際、その支障を排除できる場合もあるのではないかと思うようになっていた。

 

早速、零は、J-platpatで検索をして、特許の出願書類をみてみた……のだが、皆目、願書の作成方法に検討がつかず、途方に暮れた。そんな折、零は、自分がフォローするアカウントである通信特許マニアさんが「特許の内容を理解するための特許の読み方/読みにくい特許も克服【順番が大事】」と題する記事を公表したのを見つけた。願ってもないチャンスだと思って、零は、即座にクリックした。

 

m-y.main.jp

 

零は、通信特許マニアさんの記事に前から関心をもっていたものの、知財業務に関与した経験のない零にとっては、すぐに意味の分かるものではなかった。司法試験科目さえ、知財のではないのだから、分からなくて当然かもしれない。ただ、今回のエントリーは、新しくスタートを切るには、うってつけと考えた。

 

零は、下記3点を自分なりの要素だという風にとらえた。

  • 最初に「背景技術」と「課題」を理解することで、特許のスタート地点(背景技術)ゴール地点(課題)把握する。
  • 請求項1の理解に努める(「発明の詳細な説明」や「図面」を参照しながら、とかく請求項1の理解に注力する
  • 上記を30分から1時間の間に終わらせる。

 

続く。

読書の仕方 #法務8日目

零は、いくつかの書籍を読みながらも、このままでは、知識として身に着かないのではないかと考えた。そして、「読書/方法」という形で検索してみると、「読書のやり方を変えてみたら知識の吸収速度・引き出し速度が上がった話」というブログに行き着いた。

blog.shibayu36.org

この記事では、重要だと思う箇所にマーキングをし、類書を読んだのちに、マーキングをした箇所のみを読み、そのタイミングでまた重要と考えたものを別の色でマーキングすることを提唱していた。この方法は、相当の多読家である場合に有効な方法なのではないかと考えたが、零の尊敬する弁護士の投稿によれば、自分の専門分野の本はすべて目を通すとのことであったので、これを前提とする限り、自分にも取り入れるべき方法だと考えた。この方法が有効となるためには、あまり時間を置くことなく、類書を読んでおくことが大事なのだろうと考えた。

 

続く。

エクセルで学ぶビジネスシミュレーション #法務7日目

零は、キャッシュフロー表により、売上予測を立てることの重要性を意識していたが、そもそも、会社にとって売上を予測すること自体が大事なのではなく、どこから黒字に転化するのかを把握することが大事であると考えた。そこで、零は、「エクセルで学ぶビジネスシミュレーション」を、買って読んだ。

 

 続く。

「事業計画書」の作り方 #法務6日目

零は、キャッシュフロー表の作成により、収益予測をしながら、それが会計上の原則に従っていることを確認し、その数値を構成するビジネスモデルの果たす結果を理解する必要があると考えた。ただ、零は、それでは足りず、結果として、読んできた書籍をどのようにして、会社の経営陣や投融資機関に説明する資料に落とし込んでいくかを考えなくてはいけないと考えた。そこで、零は、「「事業計画書」の作り方」を読むことにした。

 

「事業計画書」のつくり方

「事業計画書」のつくり方

  • 作者:原 尚美
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 単行本