【法務(ー1日目)】クリスマスだって勉強するでしょ(クリスマスケーキ)(1/3)。

 

 

入社日前日の日曜日。

クリスマス。twitterのタイムラインを見ていても、クリスマスのために用意したケーキや、七面鳥の写真が相次いで流れている。

 

 

零はといえば、妻がセブンイレブンでケーキを買っていた。

 

 

この数年、零は、有名なケーキ屋でケーキを購入していて、

正直なところ、ケーキを食べることに対して、関心が薄れていた。そこで、妻が”コンビニでケーキを買った”ということについて、何の抵抗感もなく、むしろ、”たまにはコンビニでケーキを買うということでもいいだろう”と思っていた。零は、派手なものであることを望まないタイプだ。牧歌的に慎ましやかなクリスマスを楽しみにした。

 

 

妻曰く「セブンイレブンで、ケーキとチキンを買っておいたから。あと、海鮮丼も準備したし、サラダも具材を買っておいたから」とのことであった。何か豪華なものでクリスマスを飾るというのではなく、コンビニで済ますことで、かえって、牧歌的なクリスマスの温もりを感じた。予め準の備をしてくれていた妻に対して感謝をしつつ、クリスマスディナーを楽しみにした。

 

 

零の娘はピアノ教室に通っている。

ピアノ教室の送り迎えは、零の仕事。いつものように迎えに行ったのではあるが、帰り道は何か少しだけ違う。B'zの「いつかのメリークリスマス」を口ずさみながら、娘を自転車のチャイルドシートに乗せて、少し重くなった自転車を漕ぐ。

 

 

娘「ママ〜帰ったよ〜」

 

 

ケーキが大好きな娘は、”早くケーキを食べたい”とでも言うかのように、妻に対して、ピアノ教室から帰ってきたことを報告した。妻は「美味しいわよ。だって、4,000円もしたんだから」といった。

 

 

お…。

 

 

牧歌的に慎ましやかなクリスマスをイメージしていたため、零は、有名店と変わらないケーキの値段に一瞬、驚いた。調べてみると、名店ザ・リッツカールトンで働いていたパティシエの作品だった。コンビニの進化は、零も理解していたところで、コンビニが提携していることは当然知っていたが、しっかりとしたお値段に”そ、そ、そういうことか”となった。

ブランドケーキ|セブン‐イレブン~近くて便利~

 

 

ディナーが始まると、娘は妻が買ってきたピザを「美味しい。美味しい」と言って、30cmサイズあるものを、1枚妻が食べたのを除いて、たいらげた。零や零の妻が食べようとすると「だめ!」と言って静止して平げた。残ったのはピザの耳の分だけだった。娘が楽しんでくれたのであれば、それでいいということになるのだろう。

pizza

 

その日の夜、零の母からもクリスマスプレゼントが届いた。

妻や娘に対しては、比較的お値段がはるものが届いたのだが、零に届いたのは、靴下やマフラー、ヒートテックのシャツだった。物欲のない零を知ってのことなのだろうが、娘や妻に渡されたものと比較すると、少し差別されたように感じた。

ただ、零は、この歳になっても、母にとって自分は子供であり、風邪引かないことだけを心配してくれているのかと思って、母のありがたみを感じた。入社直前のクリスマスであり、本当は準備に時間をかけたい零ではあったが、家族や母のありがたみを感じつつ、「こう時間もいいな」と思っていた